成長の旅路 / 2016 サマーキャンプ まとめ
サマーキャンプが10回を数えました。
10年、あっという間に感じますが、1つ1つを辿っていくと、まあ色々あったわけで、ズシリと充実の重みを感じます。
ともすると、日々の生活はなんとなく時間が過ぎていくかもしれません。
それでも悪くないかも知れませんが、どこかで成長に気がつく事が出来れば、それは確実に自信となり、それからの時間を一つ一つ大切に意識するようになると思います。
キャンプには、確実な人の成長の流れがあります。
初参加の生徒はキャンプがどんなものかわかったと思います。
2、3度目の生徒は経験が読みとなり、それが余裕と冷静さを与えてくれるとわかったことでしょう。
4、5度目となると、余裕から油断と慣れが足を引っ張る事を勉強出来たと思います。
それ以上になると、それら全ての経験から継続の大切さを身にしみて感じていると思います。
長く時間を掛けて、繰り返しの経験をチャレンジした人のみが感じる事の出来る成長と自信です。
人の成長なんて、決して派手なものではありません。
ただ、確実にやった者のみ感じる事の出来る確実な自信と幸福がそこにはあるのです。
何一つ特別なものも無く、マジックも無ければワープなんかもありません。
それでは意味がないのです。
あるのは一つ一つのチャレンジと一つ一つの結果と一つ一つの経験の積み重ねです。
だから、奢る事や威張る事に抵抗を持ち、謙虚で潔い姿勢でいられると思うのです。
謙虚さは稽古にも必要です。
キャンプでは武具など、下級の生徒は普段やらないスペシャルな事をやります。
これもキャンプの醍醐味です。
特別な事や新しい事に対しての姿勢を勉強するためです。
これは例えば海外や外国語にも通じるものがあるのでは。
今回は得に「出来ない」「難しい」と判断して、気持ちが離れてしまう生徒が多くいました。
少しずつでも出来ているのに、それには全く気がつきません。
「出来るコト」を前提に稽古しているからです。
「出来ないコト」には焦り、周りを気にして自分のチカラで行動出来なくなるのです。
勿体ない話です。
“受け身”では出来る事も出来ません。
やはりここは「簡単に出来ることはない」と謙虚な姿勢でいるべきです。
そこから「そのうち出来るようになる」「やってみよう」と意欲が湧いてくるはずです。
物事に対して一生懸命向き合うコトから「やることをやっている」自信を得ることが出来るのです。
キャンプ中にそれを指摘すると、生徒の表情がガラリと変わりました。
嬉しい瞬間です。
稽古以外でも、例えば、リーダーの一歩手前の上級者にありがちなのは、下の子の面倒を任せると、雑に扱い易くなる、と言う事です。
面倒を見る、というのはその名の通り面倒な事です。
そこに苛立ち、威張り、不貞腐れるのは、結局はその下の子に合わせて自分を雑にしているだけです。
面倒を見る、と言う事は、責任を持って接する、と言う事ですが、半分は「面倒を見る事が出来た」自分のためなのです。
面倒を見る、とは稽古で技を追い掛けるのと一緒で、気を使う分が自分に帰ってくるという事です。
そこを理解出来ると、いよいよ真のリーダーになれるのです。
ただ、そんな立派なリーダー達も皆と同じように忘れ物もするしミスもします。
何も彼らが特別なわけではありません。
そこにあるのは経験の差です。
一つ一つ時間を掛かて掴んだ経験と、自信なのです。
時間を掛けた分、今の地位に誇りや責任と自信を持ち、決して雑に扱う事はありません。
優しく厳しく大きな視野でリード出来るのはそのためです。
そんな彼らリーダー達の今回の課題は「人を使う」と言う事でした。
後輩に責任を与える事で、後輩を育て上げ、リーダー自らの自信を高る。
信頼や組織作りと言う事にも触れてくれた、かな。
でも、良い勉強になったと思います。
私も内弟子時代に経験しましたが、人を使うのは大変な事です。
負う責任が倍に増えるわけですから。
どうしてもリーダー自らが動いてしまいます。
その方が楽で確実だからです。
10回目にして初めての試みでした。
そこまで育った、と言う事です。
キャンプの長い歴史を振り返ると、年々私の手間は省けているような気がします。
それは、リーダーが良く働いてくれるからに他なりません。
恐らく、仮に私がいなくても、彼らならキャンプを上手くやってくれる、そんな気がします。
成長の旅路は長いものです。
全てが各駅停車です。
一見面倒ですが、そこに下車する全てに意味があり、全てが大事な課題と経験と自信を与えてくれるのです。
まだまだ10年の軌跡でしかありませんが、されど10年です
でも、初回もあれば2度目も3度目も4度目も、これからずっと続くのです。
どんなにテクノロジーが進化しようが、どんなに世の中が便利になろうが、時間はずっと同じテンポで流れています。
その時間に逆らう事なく、丁度良く乗っかり、つまり一つ一つを大切に、有効にチャレンジ出来る事は、本当にラッキーな事だと思います。
ひょっとして時代には逆らっているのかも知れませんが、ここは譲る気はありません。