裏切りキズ
スーパーに並んでいる野菜には生産者の似顔絵が描いてある。
皆、ちょっと作った笑顔は、まるで小学校の卒業アルバムを見ているようだ!?
生産者の売り込む熱意なのか、店側にやらされているのかはよく分からないが
安全に対するアピールは伝わってくる。
今やそれだけ信用を得るのは大変なことだし
また、1つのミスが店を廃業に追いやる程の致命傷になり兼ねない。
安全と利益の、本来見失ってはいけないバランス感覚が崩壊している背景があれば
安全に神経質になる割には、信頼は店やネットや”他人任せ”な所がある。
さて「何が起こるかわからない」それが子供クラスの楽しいところの1つだ。
先日は、稽古の最中に手の指がパックリとあかぎれしている生徒がいた。
さすがに痛そうだったので「今日は強く握らなくていいよ」と私が言うと
少し間を置いて、その子は不敵な笑みを浮かべたのだ。
ここでピンときた。
先週、同じクラスに通う他の子が手の指すべての関節があかぎれしていたのだ。
こりゃ大変、と思いきや、なんだか様子がおかしい。
よく見るとペンで傷風に描いてるではないか。
この傷がまた精巧に描かれていて、赤ペンで直線を引き、黒ペンで影と汚れをいれる凝りようだった。
呆れるどころか関心し、思わず「やるね!」と褒めてしまった。
今回の生徒はその子の真似をしたのだった。
面白いのは、その子が”まさかそんな事はしないタイプ”ということだ。
意外性には弱いもので、何だか嬉しくて「上手いじゃないか」とまた褒めてしまった。
まさに一本取られたわけである。
子供に一本取られるのはまだしも、食品に”一本”もなければ「そんなはずはない」では済まされない。
野菜に描いてある笑顔が”不敵な笑顔”でないことを願うばかりだ。
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