雨の日の後ろ蹴り
雨の日は生徒の出席が悪くなる。
この日の上級キッズクラスは2人しか来なかった。
因みに通常平日だとこのクラスは5,6、7人といったところ。
稽古のテーマは後ろ蹴り。
流石は上級者、ちゃんと重要ポイントもわかっている。
ただ、そのポイントに対して「出来ていない」という事に気付いているだけで結局は出来ていなかった。
後ろ蹴りはカカト(大きな骨)を使う直線の技。
だから、技の中で一番強い技、と言ってもよい。
ただ、その分難しい。
我々の組織だと、そんな超難題の後ろ蹴りを8級(入会時が0、0の次が8)から稽古する。
何故??
これ、色んな想像が出来るのだけど、私の出した答えは2つ。
1つはこう。
白から初めて2,3ヶ月で審査受けて青帯(8級)をゲットする。
特に子供は、この頃稽古や道場や私に対して慣れてくる。
すると、一度緊張が緩む。
ここらで1つ派手な技をやることで集中力を持続させたい。
もう1つはこう。
後ろ蹴りに限らず、技や立ち方、型の本当の習得は時間を掛けて身につけるものだと思う。
昇級と共に、帯(階級)ごとの課題を追い掛けるが、それって単純な課題だけではない。
そこには稽古自体に対する考え方や知識、自身を知ることもそうだし、要は生徒本人の成長が一緒についてくる。
青帯から後ろ蹴りを稽古する。
とても難しい技だからこそ、一つの技に対する捉え方や向き合い方の変化を成長と共に感じることが出来るんじゃないか、と。
後ろ蹴りに対して、同じような指摘を青帯の時からされる。
当時は理解出来なかった事が、上級になって理解出来るようになる。
挙句、焦らず慌てず物事との向き合い方を身につけるって事を経験出来る。
実際に生徒を見ればわかるけど、そんな狙いがあるのだろう。
今日の稽古もその通りで、2人共、大事なポイントを意識してゆっくり丁寧にやると出てきた結果は理解出来ている。
出来る時もあるし出来ない時もあるってこと。
ただ、他の技と組み合わせたり、速くやらせると確実に悪い癖が顔を出す。
折角の2人だけの稽古だ、ここはトコトン癖(自分)と向き合う稽古をすることにした。
続く。
*キャッチ画像は、道場で使用しているテキスト2巻での一コマです。
クリクリ坊主は内弟子時代の私です。確か、私が初段取りたての頃だったと思います。
この画像は失敗例ではありますが「あの頃は確かにヘタクソだった」と今は気付くことが出来ます。
ダケデナク、それって成長を実感出来て自信に繋がるってことなんですね!!
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