植物
気が付けば江古田道場も今年の3月で15周年を迎える。
こちらも、今まで多くの生徒と巡り合えたことを嬉しく思う。
誇りでもあるし感謝したい。
さて、江古田道場は本部のアラバマをイメージして芝生付きの世にも珍しい道場として2006年の3月にオープンした。
だが、手入れが難しくて2016年には人工芝に張り替えた。
今思えば7年ものあいだ本物の芝生と戦っていた事実と、人工芝に替えてからもう7年も経つ事を思うと感慨深い。
昔よくここで話をしていたラッパ隊のおじいさんはどうしているだろうか?
おじいさんは散歩途中にここの芝生で腰掛けて休憩するのが日課となっていた。
おじいさんは散歩を、私は空手を長く続けることを互いに約束した。
散歩の時が稽古中の場合は、私に向かって敬礼をしていた。
もう何年もおじいさんは見かけてはいない。
江古田には芝生の他に観葉植物が3つ並べて置いてある。
この15年間、外からの視線と窓に近づく生徒達をずっと守り続けてくれていた。
ただ、この数年は私の育て方に問題があり、ほぼ枯らしてしまった。
ごく僅かに残る葉っぱが寂しそうにうなだれていた。
別れのタイミングは突然やってきた。
新年に訪れたアマゾンタイムセールだ。
色々探して頭が痛くなっていたところに形もサイズも、そして値段もバッチリな物を見つけた。
手入れのいらないフェイク植物。
到着の日、いったいどんな大きさの荷物が届くのだろうと思ったが、配達員が持ってきたのはとてもコンパクトなものだった。
一瞬、サイズを間違って小さなものを注文したのかと思ったがそうではなかった。
数か所が組み立て式になっていて、とても上手く梱包されていた。
フェイクならではというところに関心した。
更に段ボールを開けて驚いた。
非常によくできているじゃないか。
言わなきゃフェイクとは解らないんじゃないかな!?
いや、わかるか……!?
苦節15年、植物も人も育てるのは簡単ではないことがよくわかる。
当初は天然に何か良いものがあると思い込んでいた節はある。
だが、何かの答えは結局見つけることは出来なかった。
枯れる心配もないし、手入れといえば葉っぱを拭くらいだし「私には」なのか「道場には」なのか、人工で十分だとわかった。
ふと思うのだけれど、これいったいいつまでもつのだろう?
自然のものでも15年……正しく手入れしていればこの先20年、30年と行けたんだろうな。
そう考えるとモヤモヤするなー。
ただ、たとえ人工でも愛情込めて大切に長く使いたい。
生徒の皆もよろしく!
それでは。
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