サッカー
稽古後にある親御さんから嬉しいお話を伺った。
その子は5歳で、公園に遊びに行ったそうな。
すると、そこに小学一年生の子がいた。
2人とも私の生徒で、共に8級、青帯(白帯からスタートしてその次の帯)だ。
だから普段から一緒に稽古している間柄。
でも、この2人が話しているところは見たことがない。
それどころか、その小学一年生の子は殆ど誰ともしゃべらない。
実は彼、中国からの子で日本語があまり得意ではない。
だから、クラス中は殆ど発言はしないし、私の言葉も理解している時とそうでない時がある様子。
ただ、私が言えば周りを意識して競争するし、兎に角一生懸命稽古する。
なので、私もどうしても彼を褒めたくて「良い」「とても良い」という中国語を覚えた。
褒めてあげると、彼はそれまで見せたこともない笑顔で喜んでいた。
さて、そんなクラスでも殆どしゃべらない彼が、一方の5歳の子を公園で見つけると、一緒にサッカーをしてあげたそうだ。
私もそれを聞いた時は本当に嬉しかった。
こんな素敵な話はない。
「彼がそんな行動をとるとは!」
私がこのお話を伺った時に先ず思ったことだ。
さておき、どこか子供に先入観を持っていなだろうか?
ある意味仕方ないかもしれないけれど、その裏も含めて様々な可能性ありきで接しなきゃいけない。
それこそ、空手の稽古を通じて生徒の可能性を引き出すのが私の仕事。
どうもこういう立場だと、人のタイプや性格を決めたがるフシがある。
勿論、経験あっての推測で、タイプに当てはめた方が稽古しやすい。
でも、それは私の主観であって、思い込みの可能性もあるわけだ。
思い込みや推測は、時に本質や客観性、公平な視点への弊害となる気がする。
それが、指導や教育の可能性をも削っているかも知れない。
まあ、組手で考えたら、相手のタイプを見極めることは大事で、ただ、それを軸にその先や、それが上手く行かなかったときの対応までこなせると、それは強い。
なるほど、恐らく何となく推測はしてしまうものだろうね、これからも。
ただ、その裏や逆、兎に角、あらゆる可能性を疑う姿勢でいようと思う。
さて、このお話を聞いた日のクラスでは、その5歳の子がいつになく積極的に稽古していた。
技も然ることながら、白帯の子に立ち方を注意したり、今までそんな彼女の姿は見たことがなかった。
たまたまかも知れないけれど、このタイミングで彼女の積極的な行動をとったのは紛れもない事実だ。
それに、私から見た彼の可能性を見出したのも彼女の力。
子供達、素敵な行動をありがとう。
素敵なお話を聞かせてくださりありがとうございます。
それでは。
さて、今回のキャッチ画像は、2002年のこと、私が内弟子時代にアメリカVSエクアドルの親善試合が地元バーミンガムで行われた際に観戦した時のものです。当時のアラバマ州知事(ダン・シグマン)が本部の黒帯で、私を招待してくれました。
写真では、ずいぶんガラガラのスタジアムのように見えますが、実はテレビ映像の都合で、私がいる側のみ観客を詰め込んでいました。テレビの画面からは結構盛り上がっているように映るわけです。人気はそこまでではない、というアメリカのサッカー事情ということです。因みに中央に映る13番の選手はアメリカ代表のコビ・ジョーンズ。当時結構有名な選手で、イングランドの今でいうプレミアリーグでも活躍した選手。なので、私は大喜びだった。
TAGS: 子供・感謝・成長・積極性・行動 | 2024/02/12
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