組手の試合動画について
小学生の組手の試合で、背後から後頭部を蹴った動画は多くの人がご覧になったと思います。
「格闘技は怪我はつきもの」そう考える人も多いでしょうが、私は違うと思います。
空手、格闘技だからこそ怪我はあってはなりません。
特に子供の稽古、試合では尚更です。
組手は相手と向き合って試合する競技です。
不意打ちがない分、本来は怪我のリスクは低いと言って良いでしょう。
事実、私がアラバマで空手を始めてから此の方、27年間で組手における子供の怪我は普段の稽古から大会も含めて皆無です。
勿論、怪我が絶対に起きないとは言い切れません。
ですが、それはどんな競技においても言える事です。
普段の生活と同様に、気の抜けた時もしくは闇雲な行動に走る時は怪我のリスクが増えるのです。
試合にはルールが存在します。
ルールとは、勝敗を決める判断材料のほかに、怪我のリスクを減らす意味合いがあるのです。
ですが、大会本番は緊張もすれば高揚もします。
冷静さを失う可能性も高いでしょう。
だからこそ、普段の稽古から怪我のリスクについて意識する事が大事だと私は思います。
空手の道場は様々で、空手に対する考え方や指導方法も千差万別です。
生徒や保護者が求めているのは、空手を利用した経験であり自信を掴み人として成長することです。
つまり教育が問われていると私は思っています。
挑戦することで得られる自信から、課題を把握して向き合う自信。
課題を克服して成長することで掴める自信。
教育を目標に掲げると、自信は一つの大きな要素になりますが、組手や型、試合を開催する趣旨はここにあると私は思います。
空手と生活が結びつくわけです。
今回のような動画が流れると、空手は危険、野蛮な印象を持たれてしまいます。
不快になられた方も多かったのではないでしょうか。
私の道場では、明確な課題のもと段階を踏み、着実な実力の向上を目指しています。
着実な実力の向上の全ては、怪我のリスク軽減にも繋がります。
技や立ち方の要点を抑えた丁寧な稽古に着手するからです。
これらの具体的な成長は、確実な自信を掴む事にも繋がります。
そして、自信を掴み成長を実感する程に周囲への感謝や尊敬の念を抱くものです。
生徒皆が、自分と周囲それから一つ一つの経験を大切にしながら時には競い、時には助け合い切磋琢磨しているのが私の道場です。
安易な事故など起こり得ない、というのがお分かりいただけたら嬉しいです。
コメントを残す