ミッキーマウスとサザエさん

クラス中に集中力の維持、それから技や稽古のイメージをしやすいように様々なキャラクターを用いることがある。
それで、圧倒的に子供達の反応が良いのはミッキーマウス。
モノマネくらいサラっとこなせる子供達もとても多い。それでいてみな上手。
私も彼等にモノマネを要求されて困っているところだ―。
普段から生徒達には「積極的に!」とか「経験が大事!」なんて口うるさく言っている手前、ここは引き下がるわけにはいかない。
教育は時に恥もヘッタクレもないのだ。
勇気と希望を胸に秘め精神誠意トライするのだが、まあ酷い酷い。
夢あるミッキーマウスに対して私のは悪夢だって、ホントに……。
話は変わり、キャラクターと言えば今の子供達はサザエさんを見ないそうだ。
マスオさんのびっくりしたあのポーズにも、皆ポカン。
彼等は、サザエさんの名前は皆知っているけれど、マスオさんやタラちゃんは極僅かで、アナゴさんやナカジマに至っては未知なる存在だ。
そう言えば、サザエさんには思い出がある。
私が内弟子時代のこと。
アラバマの本屋に行くと、なんと「英語版サザエさん」が売っていた。
「こんなド田舎にサザエさんがあるなんて!」と驚きはしたが、買わずにスルーした。
それから数年後―。
日本へ一時帰国した時だった。
何気なくテレビをつけるとサザエさんがやっていた。
何年かぶりの帰国直後という事もあり、懐かしさや平穏さが心に響いた。
何という安心感だろう。
安定感抜群のお決まりパターンを見ているうちに自然と涙が溢れ出た。
「ザ・日本の人情」の様なものにえらく感動したのだった。
アラバマに戻って慌てて本屋に行くと、もうその本は見当たらなかった。
「あの時買っておけば」と思ったけど、後悔先に立たず。
今、道場では全クラス共通で「受け技徹底月間」を実施しているが、何事もタイミングと決断力は大事だな、と思った次第。
さて、ミッキーマウスとサザエさん。
生まれも育ちも違う両者だけに、似ても似つかぬ存在なのかと思ったのだが、案外相性は良いのかも!?
まあ、間違いなく共通しているのは「何時でも何処でも明るくて元気!」ということ。
言葉の軽さとは裏腹に凄く大切で難題だと思う。
私の永遠の課題だ。
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