アラバマ遠征「Take A Chance」編 後半
主人公、私役のマッケンユウは、顔こそ本物とは似ても似つかぬ程のイケメンです。
ですが、昔の私、気が逃げていたり、不安な表情は、きっとあんなだったんだろうと思います。
私はユウゾウという先輩内弟子の役ですが、まあ、ソイツがキツいこと。
自分が若い自分を殴っているんですからね、変な気持ちです。
今があるのはユウゾウ先生のお陰かも……!?
彼の感情をフォローすると、5年のスパンで内弟子をやっている人間からしてみたら
ほんの数ヶ月の”内弟子もどき”は一番厄介なのです。
「自分の勉強のためにチャレンジする」と割り切りますが、舌打ちしたくなる心情は理解出来ます。
実際に私の後も何人か内弟子に来ましたが、皆数ヶ月単位でした。
来たからには、稽古も仕事も教え、やらせなければなりません。
でも、数ヶ月では仕事を覚える頃には帰ってしまいます。
それに、殆どの”もどき”は来たその日から「いつ帰れるか」と、帰るカウントダウンをしています。
大きなビジョンの成長とかでなく、どこか観光旅行の様な一時の経験を求めているように感じました。
ユウゾウ先生がキツイのは、空手に熱い分、それなりの態度をとる、ということです。
だから、キツいだけではなく、ちゃんとマサを守るシーンもありますよ。
撮影時には、実際、そんな感情で演じていました。
つまり”そのまま”だったので、やりやすいっていったらそうですが、なにせ初体験でしたので……。
一つ言えるのは、もしもまた機会があれば、その時はもっとマシな演技が出来る気はします。
良い経験でした。
世の中が便利になり、楽を覚え、気を使わなくなりました。
面倒な事は避け、汗を掻く必要はない、そう勘違いしやすくなっています。
大切なモノが失われている気がするのです。
空手は、気を使うし時間も掛かるし、汗を掻きます。
今、だからこそ、空手が役に立つのではないか。
そんな思いから、最高師範は映画を作りました。
私も同じ思いで帯を締め、道場に立っています。
もう何年も前から「映画を作りたい」と話していました。
「いよいよ撮影をやる」と言われたのは4年前。
てっきり”ホームビデオ程度”と高を括っていました。
現場に行くと”本気度”に驚き、焦りを感じました。
人が情熱を燃やし徹していれば、ココまでの事が出来るんだー。
まざまざと見せつけられました。
私を題材にしてくれたことや、役をくれたこと。
そして、リーダーとしての生き様を見て、感じることが出来たこと。
色んなことに、感慨深く、感謝しています。
空手に興味あるナシに関係なく、きっと皆様に共感頂ける作品です。
マサに「Take A Chance」
もう少し時間が掛かると思いますが、チャンスがあったら是非、ご覧になってください。
P.S. 原作小説の「内弟子inアメリカ」もお忘れなく。
「内弟子inアメリカ」空手物語
朝日出版社/¥1,944
大山泰彦(著)
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TAGS: Take A Chance・感謝・社会・稽古・経験 | 2016/05/23