上級者の心得
上級者の弱点は、豊富な経験故の広く浅い知識です。
初心者に技や立ち方を教える時は、大事なポイントを一つや二つだけ伝えます。
生徒が意識するポイントもそれだけです。
だから「やることをやる」ってコトで言えば、それだけをやれば一先ずは胸を張れるのです。
片や上級者は意識するポイントが増え、精度が求められます。
やらなくてはいけないポイントが増えれば、それは道具と一緒でいつか整理が必要です。
何が一番大事か、その次は何か、それと自分の癖です。
その作業をしないと、全部がごちゃごちゃになり、意識は散漫になり、結局アタフタして初心者が出来る一番大事なところすら出来なくなってしまいます。
更に覚えなければいけない技が増えるのですから、やっぱり慢心と無意識は怖いです。
ただ、殆どの人はここに陥るのではないでしょうか。
ともすると、ここの作業で嫌気がさして辞めてしまうのかも知れません。
大事なポイントを踏まえた上で、技と技で共通点と比較点が理解出来たらシメたもんです。
意識する癖が出来たという事です。
深く稽古する、とはそう言う事かもしれません。
また難しい話になりますが……。
例えば空手が武道だ、教育だ、と言うならば、それが日常生活で活かされてしかるべきです。
人としての成長に直結しなければなりません。
それは結局、瞬時の状況判断と正しい行動に反映されると思います。
咄嗟の判断と行動で活きてくるのは、様々な経験からくる共通点の部分ではないでしょうか。
つまり生きて行く軸、一番大事なポイントがズバリそれだと思うのです。