楽しいコトはみんなやる
組手には恐怖があります。
「イヤだな」と思うわけです。
最初はそれしかありません。
だって叩きっこするのが初めてならば、仕方のない事です。
でも「負ける」のはイヤだし「逃げる」のは格好悪い。
そこまではなんとなくわかっているようです。
でも、イヤなものはイヤ。
すると今度は「何故戦わなきゃいけないんだ」
「何故痛い思いをしなきゃならないんだ」
そう思えてくるのです。
「空手なんて嫌いだ」
「空手は自分には向いていない」
「この子に空手は合わない」と、そんな判断をしてしまうのです。
辞めたいなら辞めればいいさー。
でも、その前に俺の話を聞いてくれ。
【さて、大人になった時にちゃんとしていたいか!?
それには色んなことを知らなきゃいけないんだ。
今のうちから、あれはイヤだ、これはイヤだ、と言っていたら、何も出来やしない。
何もしない人間は何もわからないまま大人になる。
だから色んな時にどうして良いかわからない。
悪いこと、間違ったことをする人間がいるのはそのせいだ。
それでイイわけないんだ。
いいかい、色んな経験をしていくうちに色々わかってきて、ちゃんとした大人になるんだ。
だから、子供のうちに「色んな事をやってみよう」て思えなきゃいけない。
例えば空を飛ぶとか、ライオンに変身するとか、本当に出来ないものは「出来ない」ってわかるはず。
でも、「イヤだな」って思う大抵の事は出来る事だ。
楽しい事はみんなやる。
けれど、楽ばかりしている人が立派になったら悔しくないか!?
経験を積むポイントは「イヤ」と思う時にどうするかだ。
「イヤだな」って思った時こそぶつかって、チャレンジすれば「出来た」って自信がつくんだ。
戦いはひょっとして一番イヤなことかもしれない。
一番怖いことかもしれない。
でも、だからこそ乗り越えられれば一番自信がつくってことなんだ。
「やれば出来る」って事を知れば、どんどんチャレンジが出来る。
すると色んな事がわかってくる。
大人になる前にそれを知り、沢山経験を積むべきなんだ。
“好き嫌い”じゃなくて、やらなきゃいけないんだ。
今まで通り、やれば絶対に出来る。
だからやるんだ。】
大会前、組手の稽古が増えると、子供達とこういうやりとりが増えてきます。
それだけ大会は大事ということです。
自分と向き合える最大のチャンスです。
子供達が自分と向き合う、と言うことは親も子とそして自分と向き合えるチャンスなのです。
目を背けずに、地に足をつけて、優しく温かい心のこもった鬼になってあげてください。
