普段の稽古と審査の使いかた
テストではよく”テスト範囲”というのがあります。
我々の道場もまた、進級テスト、いわゆる昇級審査には範囲が決まっています。
つまり、級によって技と型の課題があらかじめ決められているのです。
おそらく数ある空手の流派や組織の中でも珍しいことだと思います。
一つ一つの技や立ち方をより深く身につけられる、というわけです。
ただし、戦うために空手を習う、もしくは習わせている生徒は少ないわけで、その大半は空手を使って自信をつけたい、とか、とにかく普段の生活や仕事に役に立てたい、そう思って稽古している人が多いと思います。
子供も大人も自信を持つことは大事です。
防御にもなるし、自分の意見や考え方を持ち、進むべき方向や取るべき行動を自分の判断で決める事って凄く大事だと思います。
何をするにも他人の顔色を伺ったり、意見を問うたりしないと判断出来なかったり安心出来ないのでは、ちょっと心許ないです。
自信は”今やるべき事を一生懸命やる”ことから得られると思います。
それには課題がより細かく明確に設定された方が、取り組みやすいのではないでしょうか。
昇級審査を通して明確な課題があるからこそ、昇級後には明確な自信が付くのです。
同時に次の明確な課題が出てくるのですから一生懸命の取り組みが長続きしやすいのです。
先月の審査では、自分の力を信じてチャレンジしている生徒と、周りを気にしたり、つられたりしてしまう生徒に分かれました。
その差は”自信”です。
学校のテストもそうだと思いますが、審査は普段の稽古の延長です。
“普段”が自分の自然な姿なのですから、そりゃそうです。
普段の稽古でも課題と向き合い少しの努力をしている人は稽古を自分でチャレンジ出来ます。
課題も出来た箇所も明確になるでしょう。
審査がその延長と言うことならば、ある範囲のけじめ、集大成です。
つまり、普段だと気がつかなかったことがわかったり、緊張する分、印象にも強く残ります。
だから大きな自信を掴めるチャンスがそこにはあるのです。
努力ってなんだかすごく大きなもので面倒な印象があると思います。
でも、先ずは一つ課題を意識して例えばテレビのコマーシャルの間に少しやってみる、とか、その程度で良いと思います。
空手で言えば、道場出たら課題をすっかり忘れてしまうのではなく、なんとなく余韻を持ち帰り一日一回でも二回でも試してみてはいかがでしょうか。
すぐに忘れてしまう生徒は、ノートをつけるなりなんなりと、先ずは忘れないためにはどうするか、チャレンジするのもまた、自信を掴むための一歩だと思います。
コメントを残す