昇級直後のおいしい話
審査結果が出た直後のクラスがなかなか面白い。
前回ちょっと触れようとした内容も含めて、今回は昇級直後のクラス模様をお伝えしようと思います。
稽古は、各クラスの課題に沿って行われますが、そこに、めでたく昇級してきた生徒がやってきます。
期待に胸膨らませて真新しい帯を締めると、身も心も引き締まる。
そこまでは良いのですが、やがて、まだ習ってない事をやる場面が巡ってきます。
さあ、ここが面白い。
「知らない」「まだ習っていない」と最初から諦めてしまうのか。
「よし、やってみよう」と一歩踏み出してチャレンジするのか、に分かれます。
後者の方が一歩踏み出した事を自信に出来るのは言うまでもありません。
それに加えて、課題や反省や、やったからこそ見えてくるものもあるでしょう。
ですが、そうは言っても全く何も知らなければ心を閉ざす気持ちもわかります。
気持ちがダメなら体はどうか!?
やはりここは、体を動かす事で出てくる発想や反応ってあると思います。
ですが、それには経験が必要です。
体で経験したことは体が覚えています。
けれども、何もしないで止まっていては、それを呼び起こすことは出来ません。
心と体の戦いがあるわけです。
まさに”葛藤”ですね。
先日の発表会では、ランクによる生徒の態度の差が明確に現れました。
ランク別による生徒の差は、ズバリ経験です。
上級者が突発的にチャレンジの行動が出来た訳ではないのです。
昇級する度に課題との向き合い方や始めての事、だからこそのチャレンジの仕方と得られる自信がある、ということを経験してきているだけのことなのです。
“だけのこと”と言うと、なんだか軽い感じがしますが、いやいや、そこは長く稽古を続けてきた者のみが得られる分厚い自信があり、当然それは賞賛に値します。
特に「型」などは、上級になればなるほど、既に習った立ち方や技が多くなる。
それは、基礎的な部分では、どんな立ち方や技をやろうが、それに対する重要事項は同じケースがほとんど、と言うことです。
つまり、その共通点こそが重要事項であり、それを踏まえて稽古することが成長の鍵だと思います。
本当に重要な共通点ってそれほど数はありません。
ポイントを絞る、イコール、物事を整理する、ってことは生活のあらゆる場面で大事だと思います。
何度も経験している人がそれをやっても「凄い」とは言われません。
初めての人、だからこそ「凄い」となるのです。
でも、そこには、葛藤に打ち勝つ勇気と、行動力、判断力、瞬発力。
要領を得ようとする素直さや、反面、決断する頑固さも含まれます。
まるで、ありとあらゆる様々な要素満載の”和洋折衷バイキング”のようなもの。
ここを逃す手が果たしてあるでしょうか!?
「最初だから慎重に」
「最初だから仕方ない」
それもあると思います。
でも”最初だからこそ得られるもの”
“最初しか得られないもの”が、あると知っているのも良いと思います。
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