上級者の特別審査
今回は、晩夏に行われた上級者向けの特別審査の話をちょこっと。
ウチの組織で日本支部に所属する生徒の場合、2級(茶帯)以上を目指すのなら通常春に行われる大山康彦最高師範によるスペシャルな審査を受けなければならない。
ただし今年はコロナの影響もあって、最高師範が来日出来ない。
なので、各支部で特別審査が出来るようになった。
とは言え、今回は茶帯のみの審査。
昇段(黒帯を目指す)は、今回は見送られた。
現状を考えれば、恐らく来春も最高師範の来日は難しいと思う。
となると、黒帯予備軍が増える。
今年黒帯を挑戦出来なかった生徒は2年も待たされることになる。
これは、生徒や道場にとって良くはない。
まあ、その時は、どうにか審査が出来るようにまた掛け合ってみようと思う。
さて、ウチで行われたその特別審査だが、とても気持ちの良い審査となった。
皆が上級者ということもあり、それぞれの課題に向き合い、成長している姿を見せてくれた。
道場での通常稽古(9月はまだ対人は行っていないが)を再開して、まだ1月余り。
春以来、オンライン稽古や各自個人の稽古を強いられる難しい環境での稽古が続いた。
でも、各自が自分の課題を見失うことはなかった。
考えてみれば、彼らは長く(4,5年程)稽古を続けている。
たかが数ヶ月の不便があったとしても、それに足を引っ張られるようなことはない。
因みに、その課題だけれど、特別なことなど一つもない。
普段の生活で皆が共感出来るような、ごくごくシンプルな事。
例えて言うならば、ドラえもんよりもサザエさん、と言ったところか??
さておき、何気ない生活の中で成長の為のヒントや課題はあるはず。
ただ、こういう大事な事って案外小さい(シンプルな)事だからスルーしがち。
でも、そこに気付き、向き合う事が出来れば、ほんのちょっとのキッカケで丁寧な生活を送れるし、自信も得やすいと思う。
以前は少し間違えたり失敗すると動揺して、その次の構えや技が決まらなかった生徒が
たとえ上手くいかなくても次の瞬間には目線を決めて、失敗をチカラにするくらい余裕を持った表情をしたり。
質問された時にモゴモゴ自信なさ気に話してしまう生徒が
少し表情を緩めて力を込めて発言出来たり。
ふとした瞬間に自分本意で稽古してしまっていた生徒が
周りに意識を向け、素直に競争したり、指摘したりと、チカラと可能生を広められるようになった。
積極的な発言が苦手な生徒が胸を張り、我先にと言わんばかりに手を挙げて返答したりと……。
成長した姿、その瞬間に遭遇出来るのは、とても素晴らしいことだと思う。
今回の審査は、そのオンパレードだった。
空手は教育。
そう思っている。
正確には、空手は教育と結びつけやすい、と言ったところか。
それが武道ということなのかどうかはよく分からないけれど。
でも、稽古と普段の生活には接点が多いことは確かだ。
それを結びつけるのが私の使命、というかやり方。
何はともあれ、上級者、立派です。
TAGS: 審査・成長・教育・自信 | 2020/12/01
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