雨どい
いよいよ花粉も酷くなり、先日耳鼻科に行ってきた。
元々私の鼻は年がら年中良くはない。
酷い時には、まるで枯葉の詰まった雨どいのように空気の通りが悪い。
医者に症状を伝えると、「カメラで診てみよう」ってことになった。
何だか嫌な気がした。
医者は、慣れた手つきで私の鼻の中にカメラを入れ始めた。
痛さ、というよりも想像通りのなんとも言えない嫌な気持ちが鼻から体を駆けぬけた。
でも、そこまでは、まあ想定内だった。
問題はこの後だ。
気が付くと、いつの間にか女性の看護師が私の傍らに立っていた。
立っていた、というよりもまるで保護者のように寄り添っている。
看護師はもう一人いて、医者に寄り添いただ突っ立っていた。
医者が「大丈夫ですか?」と私に尋ねてきた。
「鼻にカメラ」の状態では「はい」と「あい」の中間くらいのハッキリしない返答しか出来なかった。
それが悪かったのか??
「トン、トン、トン」
看護師が、私の肩を優しく叩いてきたのだ。
(え、オレ子供じゃないんだけど)
あっけに取られた。
「トン、トン、トン」
看護師はなおも肩を叩く。
「大丈夫ですよ~、もうすぐ終わりますからね~」
(園児か)
戸惑っているうちに鼻カメラが終わった。
同時に、2人の看護師はまるで新品の雨どいを流れる水の様にスーっと奥へと消えていった。
私には、医者と看護師の表情がなんだかとても清々しく見えた。
何だ、この私だけ取り残された感は?
何故、皆無表情なんだ?
何故、寄り添うのか?
何故、園児扱いなのか?
まさか、本気で私が嫌(痛)そうに見えたんじゃないだろうな??
診察が終わると、私は鼻に加えて気分までもがスッキリしなくなっていた。
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