生徒の成長を追う!
今回は、生徒の入会後の成長過程、心境の変化を書いてみます。
入会後、2週間程は緊張が続く。
でも、大抵1月ほど(特に子供は)稽古を続けると、慣れが出始めて雑になっていくものです。
空手は、その時々でやるべき構え(姿)が明確に決まっています。
つまり、生徒自身が今やるべきことが出来ているかそうでないかハッキリわかる、自信をつけやすい環境ってことです。
初めのうちは崩れている事にすら気が付かない。
次第に、出来ていない事に気が付くと、そこでようやく我慢や意識の難しさを知るのです。
ここが「最初の稽古」とも言えます。
そうこうしているうちに生徒は「我慢や意識は自信に繋がる」、要は丁寧に稽古することが大事、と言うことに気が付きます(この辺が8.7級ですかね)。
何をすべきか頭の中ではわかっている、でも、上手くいかない時もある。
逆に、調子のよい時や、それこそ出来た(自信をつけた)瞬間を感じることもある。
それを繰り返しているうちに「稽古にはリズムがある」ということを知ります。
上手くいかない時も慌てなくなる、ということです。
これは、ある程度時間を掛け経験を積まないと実感出来ない部分です。
また、時間を掛けたからこそ見えてくるものがあります。
それが「癖」です。
「癖」を意識出来るのは大体6.5級の中級者にあたります。
出会った当初は「癖」をバイキンのように厄介だと勘違いします。
でも、何時しか癖のお陰で自分と向き合えている「一生懸命取り組めている」と気が付くようになる(ここまでくると4級、上級者です)。
癖をなんとなく友達のように感じられたらしめたものです。
なかなか改善されなくても、向き合うことで一生懸命出来る。
「胸を張れる」とはそういうことではないでしょうか。
それを長年の経験で養っていれば、恐らく様々なことを挑戦出来る、つまり更に色々な経験を積める、ということです。
これは実例ですが、私の生徒が学校で生徒会長や何かのリーダーになる子はとても多いです。
さて、いよいよ黒帯が見えてきました。
黒帯の事を「初段」とはよく言ったもので、なんでも「ここから本当の稽古が始まる」ってことだそうです。
本当の稽古かどうかはさておいて、これだけの経験をしていれば、そりゃ図太いはずですし、より豊かなものの捉え方が出来るでしょう。
さて、今回は空手(道場)における成長の軌跡のようなものをお伝えしました。
時間を掛ける事は忌避されがちな昨今ですが、こと人の成長や自信を持つという事は、大木の幹のように経験を積み重ねたほうが確実だと思います。
特に子供達は、将来の夢や目標に対してのアプローチとして、子供の内にその目標と自分との向き合い方を経験しておくのは良い事ではないでしょうか。
何かにつけ慌てる必要はないですからね。
自分を大切にするきっかけになったら嬉しいです。
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