大会用の稽古をはじめて ~ある中学生の話~
大会出場をしばらく悩んでいた中学生の上級者。
彼女は元々イベント事には積極的に参加する生徒だった。
通常中学生は大人クラスを推しているが、時間的な都合もあり彼女は子供クラスに参加している。
上級者ともなれば、それが大人だろうが子供だろうが、初級のクラスも含めどのクラスへの参加もタメになる。
ただし、それは立場を意識した稽古が出来ればのはなし。
彼女は決まった曜日の決まったクラスに参加する。
だが、慣れすぎていた。
且つては、気を入れた行動が苦手で、頑固なまでにいつもノホホンと、どこか一歩引いた姿勢で稽古していた。
だから、型や技をなかなか覚えることが出来なかった。
ただし、上級を目指した審査の時に転機は訪れた。
彼女は一度審査で落ちた(この記事と彼女は関係ない)。
その後は目つきを変えて丁寧に稽古をしていた。
周りと競争してチカラを素直に出すようになった。
自分の殻を破っていた。
素直さと頑固さを持ち合わせている、彼女にはそんな才能があることに気が付いた。
すると、稽古中も下の子達に声を掛けたりと、態度は見る見る積極的になっていった。
二度目の審査での様子は見事だった。
中学生になり、同時にイベント無しのコロナ禍も重なり、稽古中も消極的な態度が目立つようになっていた。
今回の大会も先月までは「出ません」とハッキリ言っていた。
理由は「自信の無さ」だった。
昔に戻っていた。
これで黙っている私は無し。
最近しつこいくらいにブログでいっているようなことをクラスで話した。
彼女はとても真剣にそれを聞いていた。
その後は速かった。
次に稽古に来た時には参加を決めていた。
素直な才能も助けになったと思うけど、過去に一度自分と向き合う事を経験しているのが強かったと思う。
身体では自信の掴み方と感覚を覚えていたんだろう。
その後の稽古は、昔、審査で落ちた後の様な積極的な態度が目立った。
以前にもまして小学生達をまとめ指示を出す姿はとても誇らしく、彼等の模範となっている。
今回の経験を経て、自信はふとした隙に失うもの。
一度身体で掴んだ経験は感覚としてちゃんと残るということ。
挑戦を持続させることで、自信は維持も出来るし成長に気が付くことが出来る。
こんなことを学んでくれていると思う。
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