意識から無意識へ ~誰よりも強く速く大作戦!~
何かを身に付けるには課題を意識して稽古する。
それが無意識に出来るようになってはじめて身に付いたといえる。
これは私の師匠、大山康彦最高師範が言っていた言葉です。
私もよく使わせてもらっています。
技や立ち方、型や組手など直接空手の課題に当てはめて使うのは当然のこと、それに加えて「稽古の仕方」に当てはめていくことが成長へのカギ(コツ)になると思います。
私の場合は組手で強くなるために特化した作戦でしたが、癖にする為にとった作戦、行動という「意識から無意識へ」の工程は同じです。
こんな経験をしました。
私が内弟子になった時、3人の先輩達は皆黒帯で、私だけが白帯のいわばスイミー状態でした。
組手も筋トレもランニングも英語も歯が立ちません。
何もかも諦めるしかない、と、いつしか無意識のウチに「全開の諦めるモード」が癖になってしまっていたのです。
紛れもない嫌々モードです。
まあ、今考えても仕方がないと思いますけどね。
なにせ白帯VS黒帯ですから。
ただ、内弟子生活も2年が経つ頃、私が茶帯になる頃だったと思います。
体つきも大きくなり、酷い英語も誤魔化せるようなレベルになっていました。
そんな頃でした。
次第に欲というか意地のようなものが出始めたのです。
先輩からは技が遅いと揶揄され続けていましたからね。
「スネール(カタツムリ)マサ」なんて言われる始末。
そもそも足もそれなりに速かったし運動にはある程度の自信があった私でしたが、気持ちがそれにブレーキを掛けていたんですね。
まったく、長く続けていたらどう転ぶかわからないものですね。
そんな嫌々ムードに嫌気がさした私は、一先ず普段の稽古で技や動き、返事も全てその空間(道場)にいる誰よりも速く強くやろうと決心しました。
実際には、決心というよりも自然とそう意識していました。
誰が何と言おうと誰にも負けず稽古しました。
するといつしか技のスピード、強さは増していき、ランニングでも競えるようになったし、組手でも「フフ、勝ったな」と思える時が出てきました。
常に強く速く稽古していれば肉体的にそりゃ強くて速い技が癖になるでしょう。
ただ、自信がそれを後押ししたのもあると思います。
私がもしも内弟子じゃなかったらそう出来たかどうかはわかりません。
確かに内弟子って「やるしかない環境」ですからね。
ただ、そう言うことではなくて、実際の体験談として参考にしていただけたらと思います。
本当、何年続けただろうか、この「誰よりも強く速く大作戦」は、3年か4年かそれ以上か?
兎に角ずっとやっていました。
完全に癖になっていました。
結果的にどんな試合に勝つ事よりも、この「ずっとやり遂げた」という事が私の一番の自信になっています。
勿論、色んな積み重ねがあっての結果ですが、単純に「組手の自信はあるか?」と聞かれても何の躊躇もなく「はい」とは言えません。
ところが「一生懸命稽古したか?」の問いには迷いなく「はい」と答えられます。
結果って一瞬のものですし、稽古あっての結果だし……。
さて、そんなわけでまとめます。
課題を意識して何度も何度も稽古していると次第にそれが癖になり、やがて無意識に出来るようになる。
それが成長!!
では。
TAGS: 内弟子・教育・稽古・経験・自信 | 2023/03/09
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