ちりも積もれば潔く
全日本大会の組手の部、高校生以上はノックダウン方式と我々は言っていますが、素手、素足にヘッドガードも着けない、要は私が出場するような「ガチ」のカテゴリーしかありません。
ある黒帯の高校生にその事を説明しました。
すると、彼はその次の稽古の時に組手の出場申込書を持ってきました。
格好良い!
彼は、幼少の頃から大会には出場しているので、経験は豊富です。
ただ、この3年間大会は開催されていなし、そこに来て初めてのノックダウンです。
彼なりに葛藤もあったと思いますが、この潔さは格好良いし気分が良い。
経験が大事という事は、勿論理解しての決断だと思いますが、特筆すべきはこの瞬発力です。
結果的に経験すれば良い、大会も「出るだけまし」という考え方はありますが、それで胸張れるのは初出場の場合のみです。
大事なのは、出て何を学ぶかです。
結果に至るまでの経緯を含めた内容が大事です。
内容に変化があってこそ、初めて成長と言えるでしょう。
結果も自ずと着いてきます。
最初は葛藤から始まるのが自然だと思います。
ただ、経験を重ねるうちに「やったほうが良い」「逃げちゃいけない」と理解します。
その上で、葛藤によるネガティブな思考は、丁度、バンジージャンプを目の前に中々飛ばないのと同じで、気を委縮させるばかりです。
それは、内容と時間を含めた経緯(稽古)にも影響します。
グダグダ考えるのは勿体ないと、これも、成長と共に理解していくものです。
変わって数日後、今度は大人(50代)の黒帯が、「型と組手両方出ます」と、さらっと言ってきてくれました。
彼も、それまで防具を着けた組手(セミノックダウン方式)の試合には出たことがありますが、ノックダウン(全日本はシニアも)は初めてです。
さて、事が起きてから少し時間が経ってしまうのがブログです。
その後も、やはり黒帯は普通にサラッと「出ます」という生徒が殆どです。
この潔さは性格も影響しているかも知れません。
ただ、両者共に経験を重ねた結果、理解に至った判断と行動ということも事実です。
共に黒帯という事がそれを物語っていると思います。
性格は、自分を理解する上での指標にはなりますが、言い訳にしてはいけません。
性格それぞれに良し悪しがあるし、それぞれの向き合い方が出来るからです。
だから、誰でも成長するチャンスもあれば、黒帯にもなれるということです。
さあ、稽古って、人って本当に面白い。
と言う訳で生徒のみんな、黒帯を格好良いと思い目指すなら、是非、今回の話は頭の何処かに入れておいてください。
では。
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