大会直後のあれやこれや
2ヵ月に渡り稽古してきた全日本大会が終了しました。
と、その前に私が風邪をこじらせてしまいここ数日稽古をお休みとさせていただきました。
誠に申し訳ありませんでした。
今回の大会参加も4年ぶりでしたが、体調不良で稽古を休んだのもホント久し振りで生徒、家族に迷惑を掛けてしまいました。
さて、大会ですが試合前皆を集めてこう話しました。
今日の結果がどうであれ、皆は確実に未来に繋がる宝を手に入れることが既に出来ている。
それは、先ず「大会出場する」と行動した事実がある。
2つ目は、今まで2ヵ月の間一生懸命稽古した事実がある。
この経験は何があっても消えることはない。
2ヵ月の間、良い事とそうでもない事も色んな事をそれぞれが経験しただろう。
素晴らしいのは、皆がそれぞれ経験し感じた事を皆で共有出来たことだ。
後はそんな素敵な宝をより大切にするには、今日皆が最後まで戦うことだ。
皆今まで本当によく頑張った。
皆で最後まで頑張ろう!
と、こんな感じです。
結果、型も組手も当然ながら負けた人、勝った人、上手く出来た人、そうでない人。
と様々な経験を掴むことが出来ました。
経験と同じくらいの色んな感情もあると思います。
それだけ、皆はこの1つの大会に向き合ったという証拠です。
感情や感覚は時間の経過と共に身体から離れていくものです。
ここは是非書き留めたりしておいた方が良いのですが……。
私が風邪を引いたせいで、まだ大会出場者のウチの半数も会えていないですが、それでも出場した生徒は皆自信は掴めたようです。
道場に入ってきた時の表情がそれを物語っています。
さて、今回の大会は「出場させる」という意味で私にとっては結構挑戦的なもとなりました。
生徒の8割9割は大会未経験からのスタートでした。
大会は? 組手は? 型は?
ホント、ゼロからのスタートです。
経験があれば「その先」の、要は乗り越えた先にどんな景色があるかイメージ出来ます。
ただ、未経験の場合はそれが使えません。
なので「試合用の型」=「難しい」=「嫌」
「組手」=「痛い、苦しい」=「嫌」
そんな心境の生徒達との戦いでした。
稽古中は常に組手でも型でも自分と向き合っている事、今を頑張っている事には「それでイイんだ」と言い聞かせてきました。
それでも結果的に上手く行かない事実を生徒は見ようとするものです。
でも一生懸命取り組んでいることに胸は張るべきだし、向き合うには今に納得すべきだし。
兎に角、結果を焦るのではなくて、今に胸を張って何度も繰り返してトライするしかないわけです。
そんな言葉をずっとこの2か月間かけ続けていました。
でも、そんな口うるさい指導者の話を生徒はちゃんと聞いてくれて、ついてきてくれたのは本当に嬉しかったですし、生徒に感謝するところです。
勿論、子供の場合はやはり保護者のご理解ご協力がなければ皆の貴重な経験はないわけで、心から感謝申し上げます。
さて、色んな道場には色んな生徒がいます。
試合を見ていて使ってみたい技等あったと思います。
ただ、誰でも同じ技が使えるわけではありません。
身体がそれなりに大きくないと使えない技や、高い柔軟性を要する技もあります。
ただ、どれも単発ではそれを後に活かす技として有効とは言えません。
技は頼るものではありません。
頼れば上手く行かないときに脆く崩れやすいからです。
技は活かすものだし繋げるものだし、コンビネーションとして流れを作る要素と捉えてください。
特に今回我々東京練馬の目標は組手でのベースの確立でした。
皆十分頑張りました。
「速く勝ちたい」
「勝てる技を覚えたい」
それ、誰よりも私が思っています。
ですが、誰よりもそんな技は無いと知っているのも私です。
勿論「狙う技」は教えます。
ただ、使えるかどうかはまた別の話です。
私は土台をしっかり作り、長く稽古していく中で知識と実力を段階を経て成長出来れば良いと考えています。
こんな話をすると「すぐには勝てないのか?」なんて疑問を抱く人もいるかとは思いますが、当然今回の様にベースだけでも十分に勝てますし、その段階毎で当然勝ちには拘ります。
今回の大会、最後の試合はノックアウト方式(素手素足)の大人の部の軽量級でした。
我等が東京練馬からは初段の高校生が出場して、見事初出場で準優勝に輝きました。
この2ヵ月の間、私と二人三脚でミッチリ稽古してきました。
勿論、他の大人稽古参加者の協力もありますが、まあ一度も弱音を吐くことなく3分以上余裕でコンビネーションを出し続けるだけのスタミナを手に入れました。
対戦相手は決勝戦の相手以外は皆大会でよく見る顔でした。
決勝の相手は初めて見る顔でしたが、強かったです。
私の生徒よりも身体は2回りほど大きく、体重も15キロ程は差があったと思います。
体重がモノ言う格闘技にあって15キロ差はデカすぎます。
完全にパワー不足で負けました。
ただ、当然負けた本人は今後の課題は一目瞭然で、それは悔しいですが負けて尚明確になったと思います。
見ていただいた方も多かったと思いますが、簡単に言うとアレがウチのやり方です。
それにしても、彼が後輩に与えた勇気は絶大です。
合宿からリーダーを張り、皆の憧れとなり、皆を惹きつける組手はとても格好良かったし強かった。
彼の頑張りのお陰で、大会の集大成とも言うべく、皆が彼の後ろで一つになり応援していた姿はとても微笑ましく感動的でもありました。
あの瞬間は東京練馬にしか出せない「良さ」の現れだったと思います。
すみません、もう一つだけ。
試合始まる前に見た光景があまりにも素敵でして。
型の試合が始まる前のこと。
そこには今か今かと順番を待つ生徒が二列になって座っていました。
たまたま前後で小学4年生の同級生が座るカタチになっていました。
前に座っていたのは前日から吐くほど緊張して当日もまるで良く動けないロボットの様にガッチガチに緊張していた中級男子。その後ろには上級女子が緊張を堪えて座っていました。
たまたま私は目にすることが出来たのですが、その女の子が一生懸命男の子にアドバイスをしていました。
その女の子が道場では上級者と言うのもありましたが、とても素敵な光景でした。
たわいもない話かもしれませんが、こういうの大切にしていきたいです。
他にも様々な素敵な姿を生徒達は見せてくれていましたがキリがないのでこのへんで。
さあ、生徒達皆頑張りました。
大会出なかった生徒も一緒に稽古頑張った経験は消えませんからね。
胸張って。
皆、ありがとう。
保護者の方々、いつも本当にありがとうございます。
それでは、失礼致します。
2023/10/31
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