ハケとデッキと空の缶
江古田道場のデッキを塗った。
毎回ボロボロになるまで塗らなきゃいけない事に何故気が付かないのか?
こんな、見ればすぐにわかる事を、いつだって気が付けただろうに何故だ?
恐らく前に塗ったのは4年前の今の時期。
そう、コロナ過になりたてで、ペンキを買いにやや緊張してホームセンターに行ったのを思い出した。
毎度この手のペイント作業はペンキが足りなくなるのが嫌なので、大き目のペンキを買っていた。
ただ、先日の道場大掃除で、今まで使用してその都度残ったペンキの缶が沢山出てきて困り果てた。
そんな経緯から、大小2サイズあるうちの小さい方を今回は買うことにしたのだった。
ペンキ、ハケ、ローラーとパレットを購入していざ江古田へ。
道場に行く間、ずっとペンキの量を気にしていた。
だが、道場の近くに違うホームセンターもあるし、足りないときはそこで調達しようと決心した。
道場に着くと、先ずは掃き掃除をササっと終えると、そこからハケで細かいところを先に塗った。
ペンキの醍醐味はハケにある。
塗りやすそうなものを手に入れて、どれだけ気持ちよく滑らすことが出来るかが鍵となる。
ハケは少々値が張っても毎度拘りを持って入手するようにしている。
因みにペイント作業が好きになったのは浪人生の頃だった。
アクリル絵の具の塗り方をムラや筆の跡を残さぬようにと色々研究した。
絵の具と水分の量をポタージュ状に配合する。
長いストロークでもかすれることなく、思い通りのところまで同じ幅、厚さでサッと描ける
あの感覚は30年経った今でもしっかり覚えている実に気持ちの良いものだ。
さておき、ペンキ塗りもある程度ペンキ多めのビシャビシャ感と塗りの思い切りが大事だと思う。
だが、そんな思い切りペンキを使っていると、やはり足りなくなってしまった。
実は最初にパレットにペンキを流した時に「こりゃ足りん」と思わず天を仰いだ。
空も心も曇っていたっけ。
さて、ハケからローラーに換えてすぐのところでペンキは空になった。
ローラーは退屈だからスパート掛けて一気に終わらせたかったのだけれどね。
買い出しに行く面倒な気持ちはあったが、ペンキ缶を空にした何だか潔よさ漂うスッキリした気分もあった。
ペンキ缶を空にしたのは初めてかも知れない。
時間は午後の4時半を回っていた。
地球の端が太陽と気温を奪っていった。
そんなトワイライトの買い出しは、焦る気持ちを誘発させて不安を煽っている感があり、ホームセンターに着くとペンキ売り場へ駆け込んだ。
不安は的中。
同じ商品が無かったのだ。
「同じような」商品はあったのだが、色だって「同じような」色になってしまう。
行ける範囲の別の店に問い合わせたが、そこにも同じものは無かった。
こうなれば、それをここで買うしか無い。
外は夜色に染まっている。
今日中に終わらせナイト。
道場に戻ると外のライトをつけてローラーを一気に転がした。
こちらの缶も一気に無くなった。
時間にして10分も掛からなかったと思う。
すったもんだの購入後という事もあり、あっさり感が際立ったが、出来栄えはどうだろう?
ぱっと見悪くはないが、乾いてみないとわからないから。
はて、どうなることやら……。
では。
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