園児のにらめっこ
道場では、来月行われる組手の大会に向けたドラマが早くも展開されている。
組手の大会ともなれば、やはり緊張もあるだろうし出るか出まいかの葛藤も起こりうる。
初心者は組手の大会というと「まだまだ無関係」なんて思うのは当然の流れだと思う。
私が初級のクラスで「出場するかしないか」を尋ねると、 ある今年年長になったばかりの女の子は「組手は怖いから出ない」と言っていた。
「経験が大事だ」
「自分と向き合う事が大事だ」
などの説明をしてその日の稽古に挑んだ。
彼女、年長さんなのに、集中力も高く、常に積極的な声掛けなども出来る立派な子。
因みに階級は8級といって入会から一つ上の級。
ウチは8級で受け技の勉強が始まり、同時に生徒同士の当てる稽古が始まる。
彼女は、ようやく人と当てる事に慣れてきて、少し痛みや難しさもわかって来た段階だ。
最近までは蹴りが来ると目をつぶっていた。
だからこその葛藤が彼女の中であったのだろう。
でも、その日は相手の目をしっかり見て、しっかり受けて、返していた。
何か彼女の中で吹っ切れて覚悟を決めた様なとても良い表情をしていた。
稽古が終わり母親が迎えに来ると、彼女は母親に向かって走っていった。
すると、開口一番「わたし練習頑張って大会出る!」と。
5歳の子が私の話を理解して一生懸命取り組む姿勢に心打たれる。
この歳で、葛藤を感じ、学び、課題と自分とにらめっこしている。
とても素敵だと思う。
ありがとう。
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