2017 冬季発表会
寒さもなく、絶好のコンディションで発表会が行われました。
当日は、多くの生徒、御父兄の方々にお集まりいただきありがとうございました。
今回のテーマは試合のルール確認と各基本の型(各ランクの課題)の説明でした。
簡単に振り返ってまいります。
先ずは、帯毎に型とその課題をテーマとした稽古の発表です。
課題は技だけではありません。
例えば稽古に対する姿勢や、課題や癖に対する向き合い方などなど、
空手を通じて日常生活に取り入れることの出来る要素が、自然に絡んできます。
下の写真は型の前の”用意”の姿勢ですが、物事はスタートが肝心です。
それにはスタートする前の姿勢、つまり準備が不可欠です。
複数人のグループで何か行うと互いに譲り合い、結果、足の引っ張り合いになる。
日常よく目にする光景です。
ですが、ここは、励まし合い、助け合い、競い合うことで切磋琢磨していきたい。
互いの力を引き出し合う光景は、まさに爽快です!
みなぎる自信も見ていて気持ちの良いものです。
続いては、白からオレンジ帯の板割です。
「やれる」と思えなければ割れません。
自信をつけるきっかけになれば嬉しいです。
上級、緑帯以上は武具の演武を披露。
武具も実際に当てることで技と、その武具の特徴を覚えていきます。
実際の武具、だからこそ緊張感や責任感、勇気も味わえると思います。
でも、だからこそ気迫込みの達成感が自信の幅を広げてくれると思うのです。
空手の稽古を始めた時は、全ての事が新鮮です。
緊張感と好奇心が、生徒に良いパフォーマンスを与えます。
それが次のランク、青帯(8級)になると稽古、空手に対する慣れが生じます。
ここで、”第一次ダラけ期”を迎えます。
しかし、ここで受け技を学ぶ、イコール実際に当て合う稽古に入ります。
その事もあり、割とすんなり”ダラけ期”を抜け出すのが7級です。
6、5級(黄、オレンジ帯)では”第二次ダラけ期”を迎えます。
経験数も、それに伴う自信も”なんとなく”の中級者です。
正直、ココが一番難しい時期といっても過言ではありません。
上には上級者がいますから責任感も”なんとなく”。
中級の、技以外の課題、大きなテーマ、それは”自分と向き合う”という事です。
癖がハッキリ見えてきて、認識出来るのが中級者。
空手に限らず、今後の人生において、おそらく一生継続して意識した方が良いと思うテーマではないでしょうか。
それを最初に実感出来るのが中級者といえます。
癖(自分)との向き合い方を学び会得すれば、さあ、いよいよ4級(緑帯)、上級者です。
“やらなきゃいけない””逃げられない”そんなプレッシャーをチカラに変える事が出来る、これこそまさに上級者の特権です。
“やらなきゃいけない””逃げられない”、だから”やるしかない”。
それ故に、上級者は、嫌でも経験を積み自信がついてくる。
まさに自信の掻き入れどきを迎えるわけです。
私の生徒で歴代の上級者には学級委員長や、運動会の応援団長等、学校でもリーダーをチャレンジする生徒は多いです。
チャレンジ(行動)して自信を付け、経験を生かす。
成長の方程式を体で理解している証拠だと思います。
それら全てをチャレンジ(行動)して経験を積み黒帯、有段者となるのです。
黒帯に近道はありません。
1つ1つの大切な経験を飛び越えても意味がないからです。
逆に言えば、1つ1つ自分のペースで経験していけば、結果(昇段)は自ずとついてきます。
さて、何でも共有したがる今の時代。
評価を他人に求めたがる、と言えるかもしれません。
時には人を頼り、あてにするのも良いでしょう。
ただ、自分で自身の判断や評価も出来ないと、人を頼ってばかりいては少々心もとない気がします。
今回の発表会は昇級審査結果が出た直後ということもあり、新しい帯を締めて間もない生徒が各ランク毎にいました。
新しい型を覚えていないどころか、全くやったことがない生徒もいました。
当初は、元の帯と一緒にやらせようと思っていました。
ですが、伝えたいことがありましたので、今回は新しい帯の型でチャレンジしてもらいました。
帯毎で結果に変化がありました。
青帯は、諦めてしまい固まってしまいました。
黄帯は、半べそ状態でしたが、ギリギリついて来ていました。
緑帯は、開き直り、ならば誰よりも強く速くチャレンジしていました。
緑帯のように、一歩前に出る大切さを経験していれば、新しい型とはいえ、実は以前習った技の変化や、知っている立ち方の融合ということに気が付いたことでしょう。
それにプラスして”逃げないで最後までチャレンジした”自信を得ることが出来るのです。
正直、経験の少ない初心者の生徒には辛い思いをさせてしまったかもしれません。
ですが、お陰で、同じ境遇でも受け取り方や態度が全く違う、つまり成長の変化をお見せすることが出来ました。
昇級するに従って、技と戦い方の知識が増すだけでなく、そこには人間としての成長がある、ということがおわかりいただけたと思います。
初めてだからこそのチャレンジと得られる自信があるのです。
このことはまた今度、詳しく触れようと思います。
さて、今回の発表会も生徒達の様々な姿をお見せすることが出来ました。
様々な課題と向き合う様々な生徒の姿は共感出来る事が多く、だからこそ、初級者から上級者へと正しい縦の関係ができるのだと思います。
初級から上級の間で自然な尊敬や自然な責任感、程よいリーダーシップが形成されると思います。
なぜ自然か?
それは時間を掛けて1つ1つの課題と向き合ってきた経験者同士の融合だからです。
さあ、今年も残すところあと僅か。
インフルエンザも流行ってきています。
クリスマス、大晦日、正月と色々続きますが、体調崩さぬように楽しみたいと思います。
次回発表会は来年春を予定しております。
また少し成長の変化をお見せ出来ると思います。どうぞご期待ください。
ワールド大山空手東京練馬 高橋真次
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