2024夏合宿/ソーカツ後編
合宿の総括が思いがけず長くなってしまいました。
さて、前回の続きです。
今回は、7人の黒帯と、サンフランシスコ支部からも2人の黒帯が参加してくれました。
毎度、黒帯の活躍と後輩達に与える影響は絶大で、彼らの活躍なくして合宿は成り立ちません。
まあ、合宿自体は黒帯無しでもどうにか出来ますが、色帯が直接目標とする黒帯は一番説得力のある手本です。
手本が身近にいることで形成される緊張感や安心感があります。
それがどれだけ合宿の質の向上に影響を及ぼしているか、それはそれは絶大なものです。
なんでしょう、丁度この雄大な山梨の景色に富士山がないのと同じ様な感覚……!?
そんな黒帯達と共に、皆が最後までよくやり遂げました。
印象強く良し悪しを反省出来ていると思います。
失敗も改善点だって課題が理解出来たということは、大成功の内の一つですからね。
そんな中、今回も中学生と高校生達が本当によく動いてくれました。
稽古でのリードは勿論のこと、道具の運搬から食事の配膳や片付けなど、面倒な事を誰に言われるでもなく率先して働く姿が常にありました。
これは、各ご家庭での教育の賜物です。
とても感謝しています。
逆に、小学生達はあれだけ中学高校生達が色々やってくれると、当たり前のように「やってもらっている感」が出ていました。
ですが、それは彼等小学生達が成長した時に、先輩への感謝や偉大さを理解出来たらよいと思います。
その時には自分の成長を理解して、今度は後輩達に先輩としての態度を示す順番がやってくるはずです。
さて、道場は18年の歴史があります。
皆の挑戦、経験と成長が作り上げた結果が今の道場の姿です。
その中で、夏合宿の歴史も17年間コツコツと紡いできたものがあります。
コロナで3年間の空白があったとはいえ、合宿の影響は絶大です。
道場のなせる教育環境の構築で、その根幹を担っているのが合宿だと思っています。
私が合宿に拘るのは、やはり目指している道場での最大の役目は「教育」だからです。
大会や発表会、まあ合宿もそうですが、それらは成長の為の手段でありゴールではありません。
勿論、大会は優勝を目標に取り組みますし、確かに大きな要素ではありますが、空手を「競技」で済まそうなんてこれっぽっちも思っていません。
あくまでも、その先の成長を目的とした通過点です。
空手の良さの一つに「帯の色によって明確な階級の差がある」ってことです。
上級者としての自覚が芽生えやすい、リーダーシップを積極的に意識出来るところにあると思います。
着実に成長を重ねた上級者達なので、下の帯の気持ちがわかる。
だから、皆に温かく接する事が出来るのです。
一つ一つ積み上げた自信があるから丁寧な行動を心がけるのだと思います。
生徒それぞれがそれぞれの立場を意識することはとても大切です。
これは社会でも同じではないでしょうか。
大人は大人の、年上は年上なりの態度や行動って意識によって丁寧なものに出来ると思います。
立場や存在、周りを気にするということは、結局は「自分を大切にする」ということです。
私は、教育の最終目的、カギはここにあるんじゃないかと思っています。
合宿は、2泊3日を通して共に生活をします。
つまり、空手の稽古と生活が直接結びつく絶好の機会なのです。
合宿が終わり早3週間が経ち、総括を書き始めてから2週間も時間が経ってしまいました。
中々まとめるのが下手で苦労しています。
総括は、私の中の「一人反省会」の様相を呈していますが、合宿を思い返していくうちに生徒のあんな顔やこんな顔が、まるで止まらぬモグラたたきのように次から次へと出てきます。
皆、良い顔をしています。
決して大げさではなくて、結構逞しい表情になった生徒も沢山います。
ホントに嬉しい限りです。
これも毎年のことですが、合宿が終わると時間の経過がとても早く感じてしまい、一気に年末を迎える気がしています。
時間は無情にも止まってくれないし、状況によってペースを合わせたり変えたりもしてくれません。
ただ、だからこそ、その波に逆らうことなく上手く乗ることが出来れば、時間の経過に比例した経験を積むことが出来る=胸を張る生活が出来ると思うのです。
勿論、そんな単純なことではないかもしれません。
ただ、目の前の課題、自分と向き合えなければ自分を大切には出来ないと思うのです。
なるべく目の前の課題や壁に対して葛藤をなくす訓練はしておいた方が良いのではないでしょうか。
今回の合宿同様に、上手くいこうが失敗しようが、全ての経験と結果は成長の為の成功といえます。
時間が経てば必ず課題や壁にぶち当たります。
年に2、3回は訪れると思いますが、それに向き合うことで生活のリズムが出来て時間の波に上手く乗ることが出来ると思います。
時間こそが皆を平等にリードしていくものだと思うんですよね……。
さて、暑い暑い夏を迎えています。
ともすると、夏の思い出を全部持ってかれそうな、そんな強烈な暑さです。
ですが、夏合宿の思い出と印象そして経験は、十分そこに割って入ることの出来るくらい重厚なものだと思います。
それは決して「ひと夏の思い出」に留まることなく、今後必ず訪れるであろう成長と自信を掴むきっかけになるのではないでしょうか。
今年の夏合宿も最高でした。
ありがとうございました。
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