審査と我慢と雨男
審査が終わり皆が道場をあとにすると、外は土砂降りとなった。
何だか、空が水分を含んだ重たい雲をぶら下げながらずっと我慢してくれていた様な気がした。
さて、そんなわけで今回は「我慢」について触れてみようと思う。
今回の審査では2種類の我慢が見てとれた。
1つは単純にジッとしていられないということ。
ウニョウニョ動き、止まることが出来ない。
注意されても、数秒後にはボケッ~と同時にまた動き出す。
集中力の無さなのか、我が強いのか?
もう1人は、間違えるとキョロキョロソワソワ動きだす。
例え出来ている時ですら、少しでも不安になると同様の仕草が顔を出す。
これは動揺の表れ。
動揺したくなければ準備するしかない。
自信がない所を具体的に絞り、回数をこなすことで身に着ければ良い。
そのうち絶対出来るようになる。
問題は1人目だ。
彼は2度目の審査。
歳のせいには出来ないし、普段の稽古からやはり「我慢」がずっと彼のテーマとなっている。
技はそこそこ上手いし、例えば小さな子の面倒などは、とても優しく丁寧に出来る。
前回の審査では、恐らく本人も覚えているだろうけど、ずっと我慢が出来た。
2度目ということを考えれば、審査での慣れは一つ言い訳に出来るし、経験の乏しい初級者って事も言い訳には出来る。
それに、課題が「我慢」って明確に本人も理解している事は稽古している証。
弱点って本来はマイナスなことだけど、稽古していなければそれすら気付く事は出来ない。
たかが我慢されど我慢。
そう簡単なことではない。
本人が一番そのことを理解しているのは、むしろ良い経験。
焦ることでもない。
今の黒帯にも、昔は止まることの出来ない生徒はいた。
低学年程単純でないぶん苦労するだろうけど、自信を付けて自身を大切にするようにリードしていこうと思う。
そのうち、このブログで彼の変化、成長をレポート出来たら嬉しい。
さて、皆が去った道場内で1人、土砂降りのせいで身動きが取れなくなっている。
「雨よ、せめてもう少し我慢してくれれば……」
そう思ったが、お陰で新鮮な反省がこうして出来たのには感謝すべきかも。
ただ、現在午後の2時、いい加減腹が減った。
TAGS: 子供・審査・成長・教育・自信 | 2022/09/26
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