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  • 型の試合 ルールについて解説します。

    大会

    型試合 採点方法

    昨年の型の試合、見学されていた方には採点基準がわかりにくかったと思うので解説致します。

    以前に型だけではなくて組手の試合についても説明しているので、良かったらご覧になってください。

     

    結論からいうと、以下5つの項目を採点基準としました(カッコ内は減点数)。

    1,正確な立ち方 (ー1.0)

    2,正確な技 (手足のカタチと引手が重要)(ー0.5)

    3,型の意味 (ー0.5)

    4,実戦(組手)のイメージ (ー0.5)

    5,そもそもの間違え (ー1.5)

     

    採点方法は、審判一人につき10点満点として、それぞれ配点の減点方式。

    基本は一つずつの動きを対象とするけど、流れで同じ動きの繰り返しの箇所は一括りにしました。

    今回は3人の審判を設けたので、30点満点ということになります。

     

    詳細は以下の通りです。

     

    先ずは、そもそも「型」とは?

    簡単に言うと「決まった立ち方」「決まった基本技」を決まった順番に決まった条件(角度や呼吸法など)で行うもの。

    つまり、一つ一つ基本の技の集合体。

    基本の技とは、突き技、叩き技、受け技それから蹴り技があるが、どれも「立ち方」とセットで成り立つもの。

    それぞれの技に適した「立ち方」が存在する。

    型を完成させる為には「1,正しい立ち方と技」が必須なのは言うまでもない。

     

    では、「正しい技」とは?

    突きなら握り、それから手刀、鉄槌等の手技にまつわる技を的に当てる箇所を意識した決まったカタチ。

    蹴り技ならば、中足、背足、足刀、踵等の同じくこちらも当てる箇所を意識した足のカタチ。

    例えば、突く(パンチをする)として握りが出来ていなければ突けないし、もしも足の指なんかで蹴ったら怪我をする。

    だから「2,手足のカタチ」がポイントになる。

     

    加えて、技は体全体を使ったほうが良い。

    手技に関しては「2,引手(技を出さないほうの腕の位置)が重要になってくる。

    引手とは、例えば左の突きをするなら右腕でワキを閉める。

    ワキは腕と体が繋がる所。

    だから引手を正しく使えていれば、全身を有効的に使うことが出来る。

    強い突きに繋がるというわけだ。

     

    それと、我々の「基本の型」の位置付けは基本の技と組手を結ぶ「戦法」を学ぶ手段(基本の型以外は違う意味合いがある)。

    ピッチャーの配給と同じで球種を覚えるほどに作戦をパターン化しないと混乱を招く。

    組手もそうで、基本の技を覚えたら戦いにおける使い方を勉強すべき。

    だから「3,型の意味を理解しているか」も採点基準。

     

    あとは「4,実戦のイメージが出来ているかどうか」ということ。

    そもそも気が入っていないとか、下を向くとかも減点。

    戦いであり得ない行為だからだ。

    戦いは、技の強弱や流れの緩急等様々な変化があるもの。

    なので、同じ様なチカラや同じ様なテンポでは減点対象となる。

    組手だけでなく、映画やドラマ、音楽、漫才とかと同じで、変化がなければ成り立たない。

     

    さて、今回の型の試合、採点基準はウチ(ワールド大山空手東京練馬)独自のものという事を断っておきます。

    型の試合自体はウチの組織内においても既に存在しますが、採点基準は曖昧なところがあります。

    それは決していい加減という事ではありません。

    正しい技や立ち方は人により差があるものです。

    手足の長さも違えば柔軟性や筋肉量なども皆違うのですから。

    そんな中で正しさの基準を設けるのが難しいということです。

    ある意味これが絶対だ、という事はあり得ないのです。

    人によって違うのですから。

    ただ、「それは違う」とは言えます。

     

    これもピッチャーで例えるなら、誰一人として他人と全く同じフォームで投げるなんて不可能ですよね。

    理想は皆それぞれあるでしょうが、答えはありません。

    ただ、ピッチャーと明確に違うのは、空手は基本の立ち方と技は稽古(練習)の課題として存在するという事です。

    だったら、それぞれ技や立ち方の意味を踏まえた上での最低限のカタチは課題として目指すことは出来るのです。

    指導者は、最初は個々の主観から入るでしょうが、最低限の明確な基準を自身に設けることが大事だと思うし、持とうとすることが成長につながるポイントだと思います。

     

    今回の型の試合は、勿論、まずは生徒達の経験が第一。

    それから基本の技、立ち方、型の質を道場全体で底上げしたいという事。

    黒帯の意識、質の向上も大きな目的です。

     

    今回の採点を担当した黒帯達は皆本当によくやりました。

    凄く難しかっただろうけど皆立派でした。

    その殆どが中高生にも関わらず、毅然とした態度で判断、行動をしていました。

    「流石黒帯」と恐らく皆思ったのではないでしょうか。

     

    今回の試合に際して、審判も結構練習しました。

    ですが、ミスもあります。

    私も含め黒帯だってまだまだ成長途中です。

    練習中は難しさから混乱して涙を流す生徒もいました。

    採点される側からしてみればそんなの関係ないのかも知れませんが、同じ道場内での出来事です。

    皆、成長過程でいずれ通過するでしょう。

    勿論、ミスがなくなる、もしくはソレの減少こそが質の向上に結び付くわけですが。

    ミスがあの場で出来る(経験を積める)ことこそが黒帯の特権なんです(この部分はまた今度ブログにします)。

     

    兎に角、要はそれほどに採点するのは難しいという事です。

    ただ、難しいから基準に出来ない、というのは指導者の都合の良い言い訳です。

    それを課題に普段稽古しているんですからね。

     

    さておき、如何だったでしょうか。

    ご理解いただけましたか。

    余計混乱させてしまっていたらごめんなさい。

    私がもっと上手く黒帯含め生徒にその正解の基準を伝えることが出来れば質は上がると思います。

    生徒だけでなく、今回見学していただいた方にもそれが伝わるようになれば道場としての質が上がる気がします。

     

    細かいからこそ簡潔に。

    それこそが、主観と客観のバランスなのかもしれないですね。

    ん~、何を言っているのかよくわからない。

    何にせよ難題だと思います。

    だからこそ、俄然やり甲斐はあるというもの。

     

    知識はしっかり伝え、実際に体を使って理解してもらう。

    これが稽古の基本だと思います。

     

    是非今年もまた同じような大会を挑戦させてください。

    それが夏なのか秋なのかわかりませんが、昨年の経験を活かして洗練された大会にしたく思います。


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