2024 全日本大会を終えて
食事や仕事、何でもそうだと思いますが最後の〆は大事です。
組手と型、大会も同じです。
さて、全日本大会が終わると、いよいよ年末に向けて猛ダッシュの気配を感じます。
2024年の〆は12月に行う発表会と審査。
ボーっとしている暇はありません。
大会は皆よく頑張りました。
それぞれがそれぞれの課題に対して、向き合えたところとそうでないところもあるでしょう。
新たな課題を把握している生徒もいれば、モヤモヤな生徒もいるはずです。
でも、なにも明確になることだけが課題ではない気がします。
「よくわからない」それも現状把握です。
モヤモヤが晴れたら、それだって立派な変化(成長)ですからね。
最後、しっかり反省することで大会を締めて欲しいと思います。
私から見て、ウチの生徒達は勝っても負けても堂々として良い態度を取れていました。
勝っても謙虚に、負けても上を向き応援も最後まで良く出来ていました。
特出すべきは、中学高校生の黒帯達の道場間の垣根を越えた声援や声掛け。
ウチが主催ではないのにも関わらず、まるでスタッフと見間違える程の気遣いと行動はとても誇らしく立派でした。
誰の指示を受けるでも待つわけでもなく、自らが状況を把握して行動を起こすことは、正に私が生徒に求める大きなテーマ、課題の内の一つです。
ともすると、大会って自分のことばかりに注視しがち。
当然といえばそうなのですが、それこそ勝敗に態度が左右されたりする人も多いわけです。
でも、そうではなくてあくまでも「成長の為の一つの機会」との初心を常に持つことは大事だと思います。
大会を通して一つの経験を積み、成長に結びつけることが本題です。
それが、競技か武道の違いなのかよくわかりませんが、教育的なアプローチを空手も武道もしやすいと思うし、大事にすべき事だと思います。
今回の全日本大会で私の黒帯達が取った態度と行動こそが私の道場の答えです。
一つの機会を最大限活かして自分を大事に素晴らしい経験が積めたと思います。
私の励みにもなったし、後輩達への手本となってくれました。
本当にありがとう。
さて、試合を振り返ります。
先ずは型。
生徒皆が各自で細かな稽古までたどり着くことが出来ました。
「普段の稽古では追い求めないところまで行きつくことが出来た」という事は、そこには必ずや課題と向き合いそれを一つ一つこなした事実があるわけです。
成長に貪欲になれた前向きな姿勢と、時間と労力を掛けた事への充実感を味わえたのではないでしょうか。
そんな中で、私はこれが一番大事だと思っているのが「細かい事、難しい事を何度も稽古していくことでより基本や構えの大切さがわかる!」ってことです。
これも「空手に限らず」の部分なんでしょうけど、何となく生徒達はそれを感じてくれたんじゃないかと思います。
次は組手です。
昨年よりも明らかに上達していました。
昨年は、コロナ明けの久しぶりの大会だったので「組手に慣れる」がテーマでした。
それで、今年の春先に行った支部内戦(TN CUP)では「組手を組み立てる」がテーマで各自コンビネーションのまとめを行いました。
今回の全日本では「狙う技を持つ」をテーマとして、各自で狙う技の精度とそれを取り入れたコンビネーションの構築を求めました(初中級者はそれぞれ「組手に慣れる」や「組み立てる組手」)。
テーマの完成度は生徒それぞれで差がありますが、全体的な質は確実に上げることが出来ました。
これは、型での話に通じてくるのですが、ここまで稽古するとやはり今後の課題は「基本」にヒントはあるわけです。
今回の反省をしつつ、早速稽古で取り組んでいこうと思っています。
決して簡単な課題ではありませんけど、やりがいMAX、次回がとても楽しみです。
さて、大会が明けて一週間が経った我が道場ですが、稽古に来る生徒の顔は皆晴れやかで自信を丁度良く掴んだ自然でとても良い顔をしています。
大会出場を決意したことが1つ。
稽古を頑張ったことが1つ。
本番、最後まで戦ったことが1つ。
選手は少なくとも3つの自信を掴むことが出来ているのです。
勿論、自信を掴んだのは選手だけではありません。
本当にありがとう。
これ、言うのは簡単ですが、結構損得で判断、行動しがちなポイントです。
怪我をしたとき、忘れ物をしたとき、失敗したとき、上手くいかないとき、困っているとき、悩んでいるとき……。
自分も仲間も他人もピンチの時ってありますよ、必ず。
そんな時こそ前を向けたら、全力を出せたら格好良いじゃないですか。
周りを気にする、人を気にする、周りに気付く、人に気付く、それ相応の行動をとる。
周りや人を大切にするのと自分を大切にするのは同じだと思います。
大会前の道場には、組手と型の両方出場する選手もいれば、そのどちらかのみ出場する選手、それに大会には出場しない生徒もいます。
それだけではなくて、体験に来る子供達だっています。
「大会前に体験者は……。」
なんて、思いを抱く気持ちはわかります。
ですが、大会だろうが受験だろうが、目的があるのは素晴らしいことです。
でも、それにより視野が狭くなったり、自己中心的になったりするのは違うと思うのです。
「されど」という緊張感も必要ですが、どんなことでもどこかに「たかが……」という心のゆとりを持って挑めた方がよいと思います。
削ったり、犠牲にするのは簡単ですが、そのぶん失うモノもあるのです。
そておき、道場が一つになり皆が素敵な経験を積むことが出来ました。
それもこれも、普段よりご理解とご協力いただいている保護者の方々のお陰です。
大会前の稽古は終了時間も大幅に延びたりと大変ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。
保護者の方々のご理解とご協力がなければ、皆が良い経験を積むことは出来ません。
本当に感謝しています。
さあ、今年も残りは数か月となりました。
生徒皆が今年の締めくくりが上手く出来るようにリードしていこうとい思います。
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