ブログ稽古 第二弾 / 後ろ蹴り、基礎編
今まで数々の試合に出場してきました。
中でも負けた試合は、思い出すと今でも悔しさが湧いてきて嫌な気分になります。
特にこの試合は鮮明に覚えています。
あれは2000年頃??のアメリカ選手権での準決勝(20年前って古!!)。
相手はイギリスから来た他流派でした。
再延長の残り僅かなところです。
一度「待て」が入り「続行」した直後でした。
残り時間もあと僅か、私はラッシュを掛けようと前に突進しました。
そこに相手の右の後ろ蹴りが飛んできたのです。
肝臓にヒットしました。
状況的に内弟子だし地元アラバマだし、意地でも倒れるわけにはいきません。
でも何も出来なくなり、そのまま試合は終了して負けました。
あの時、私の稽古テーマはインファイト。
相手の懐に入り込み、膝蹴りを中断下段に散らせてから後ろ蹴りや回転内回しを狙う型を何度も稽古していました。
あの頃の私の力量だと、あそこは突っ込む選択肢しかありませんでした……。
あー悔しい。
さて、気持ちを切り替えて本題に入ろうと思います。
ブログ稽古第二弾。
今回のテーマはズバリ後ろ蹴りです。
数ある技の中でも1,2を争う強い技。
それが、後ろ蹴り。
カカトの大きな骨を使う直線の技。
いわば後ろ蹴りは破壊力のあるミサイルのようなもの。
その分、とても難しくて苦労している、又は苦労した生徒は多いのではないでしょうか。
私も結構時間を割きました。
体が小さくても硬くても、有効な武器になりえる後ろ蹴りは身に着けておいた方がよいでしょう。
必見です!!!
早速始めていこうと思います。
先ず、これは後ろ蹴りに限った事ではなく白帯から黒帯まで、4歳から大人までしつこく言っていることですが、☆質問その1、ズバリ稽古で一番大事なのは?
(*今回も質問は☆、体験は★のマーク付けときますので、試してみてください。)
これはもう「構え」ですよね!
簡単すぎました。
数ある技に対する構えの殆どは体の軸はまっすぐです。
でも、この後ろ蹴りは倒します。
結構倒します。
理由は、図1のようにひざを抱えた時に、ひざ下からカカトまでの言わばミサイルを相手に向けなければならないからです。
★実際に体の体勢の違いで膝下がどこに向くか試してみましょう!
図1
そこからは意識の問題で、蹴りの多くは前蹴りや回し蹴りのような「スナップの蹴り」と今回の後ろ蹴りや横蹴りのような「伸ばす蹴り」とに分かれます。
特に青帯の生徒は、白帯時でスナップの代表格でもある前蹴りと後ろ蹴りに足が慣れています。
なので、後ろ蹴りも蹴る意識が強いと、膝下のスナップで蹴ってしまうことが多い。
伸ばす蹴りは股関節の可動を意識することが大事です(図2)。
図2
前回の回し蹴りの時にも言いましたが、蹴り技は上体の使い方が重要になってきます。
スナップの蹴りは手を振ることが大事です。
対して伸ばす蹴りは上体を安定させる必要があるために、さあここで問題です。
☆質問その2、伸ばす蹴りの時にはバランスを取るために体のどこの部分を意識することが大事でしょうか?
そうです、わきですね。
それでは実際に蹴ってみます。
★ゆっくり試してみましょう!
先ず足をなるべく狭くそろえて(半並行立ち)、体を倒して構えます。
この時に腕は前にもっていく。
ナハナハの位置。
頭と上体は起こして、体を気持ちそり返す感じです(図3)。くれぐれもミサイルは相手(後ろ)を向く意識で!
図3
ターゲットは後ろ。
ですが、いきなり後ろを向いてしまうと、腰が回り膝は開き前蹴りのような蹴りになりがち(図4)なので、先ずはそのまま前を向いて試してたほうが良いです。
図4
倒した構えから膝をまっすぐ上げて、蹴る意識だと前述の通りにスナップになりやすいので、カカトで何か物を押し出す意識で足を伸ばしていきます(図5)。
図5 *すみません。画像は後ろを向いていますが、まだ図2のように前を向いて試しましょう。
馬をイメージしてみましょう。
馬は腰が回らないので、後ろに蹴るチカラが強い!
まっすぐカカトを出す感覚を掴んだら、次は実際に後ろを向いて試してみます。
☆質問その2、先ほどの足をそろえる構えから後ろを向くタイミングはいつでしょうか?
膝をあげる時、ですよね。
ここで気を付けるポイントは、後ろを見なきゃ相手は見ることが出来ない。
でも、決して腰は回してはいけない。
つまり、ケンタウルスのように頭から肩までは動かして良いが、腰は絶対に回さない意識が必要です。
相手をハッキリ見る、というよりも「存在がわかればよい」程度に後ろの様子を伺う感覚でしょうか。
今まで、実際に後ろ蹴りを蹴る時にハッキリ相手を見ることは私の場合はありません。
後ろ蹴りで後ろを見るのは、相手を確認するというよりもむしろ、蹴り終えた後の体勢、動作を相手に向けるため。そう思った方が良いと思います。
★実際に後ろを向き、足を伸ばしてみましょう!
↓↓後ろ蹴りを習得するうえで、下の半並行立ちからの練習がとても重要になってきます!
何度も何度もちょこちょこと試してみてください!
注意点は、後ろを向くときに肩までは回して良いが、腰は絶対に回さないということです。
つまり体がねじれた感じになればよい!
あまり力むと前回お伝えしたように肩に力が入りバランスが崩れるので、リンゴ1つ入るくらいに軽く脇を締めるとよい。
後は、図5のようなイメージで膝を開かずにカカトで何か物を押すように足を伸ばす。
まとめます。
➀先ずは足を揃えて体を倒した(頭は立てる)構えを作る。
②後ろは向かずに前を向いて、膝を抱える。
*膝からカカトをミサイルと見立て、ミサイルが後ろを向くことを意識する。
③ゆっくり足を伸ばしてみる。
*股関節の可動を意識して膝を外に出さずにまっすぐ物を押すようなイメージで!
④次に膝をあげるのと同時に後ろを向いて脇を軽く締める。
*腰は絶対に回さない、膝は開かない!!!
⑤腕を伸ばさず軽く脇を締めにゆっくり足を伸ばしてみる。
さて、後ろ蹴りの基礎編やってきましたが、いかがだったでしょうか。
経典2巻のP18~P21も是非参照にしてください。
蹴りも難しければ、まとめるのも難しいです。
さておき、かかとの大きな骨を使った直線の技。
後ろ蹴りは激強ミサイルです。
ふとした時でよいので、試してみてください!
特に今回の後ろ蹴りは解りずらい個所も多々あると思います。
後ろ蹴りに限らず、例えば聞きたい技の稽古ポイントなどでも構いません。
疑問や質問、ご要望がありましたら、こちらからお問い合わせください。
さて、次回は、後ろ蹴りの応用編。
回し蹴りから後ろ蹴りの仕方を解説します。
ご期待ください。
ではまた。
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